低金利時代、あるいは引出手数料等を考えるとゼロ金利時代と言われて久しくなります。
時々低金利にいたたまれなくなって、安易に投資信託・株・先物取引などに手を出して思わぬ損失を被ってしまう方が少なくありません。
このような失敗を防ぐにはどうしたらよいか。やはり生活者個人がお金の運用についてのしっかりとした考え方を身につけることに尽きると思われます。そこで、以下考え方の基本となるポイントを前編・後編に分けて説明しますので参考にしてもらえれば幸いです。
お金の運用を考えるうえで、まず大切なことは、その用途によってお金の種類を3つに分けて考えることです。
1番目は、生活様資金です。これは換金性を重視していつでも使いたいときに使える性格のお金で、ATMなど近くで便利な金融機関で普通預金(銀行・信金)、通常貯金(郵便局)、
MRF(証券会社)等の形で皆さん使っているはずです。目安としては、性格にもよりますが、
生活費の2~3か月分を確保しておけば十分でしょう。
2番目は、目的のはっきりした資金です。
これは、安全性を重視して将来の目的のために運用しておく性格のお金です。具体的には、
次のような目的のために使用します。
3番目は、投資資金です。これは、収益性を重視して時間をかけて大きく育てるお金でさしあたって用途のない余裕資金です。各個人の所有資金がそれぞれ異なるように、各個人の所有資金のうち、1番目の生活用資金と2番目の目的がはっきりした資金を除いた余裕資金がどのくらいあるかは各人様々です。
株式、ETF(上場投資信託)、投資信託、外国債、外貨預金、外貨建MMF、REIT(不動産投資信託)等金融資産も多彩になつてきており、リターンの大きなものもあるので、ある程度長期投資が可能であれば、自分の余裕資金の範囲内で投資することは楽しみになるでしょう。しかし、その場合でもリスクの内容(為替リスク、価格変動リスク等)を十分に理解してから投資すべきであり、いわゆる風評に流されて購入するようなことは厳に慎みたいものです。なお、株式・投資信託については、NISAにより元本の一定額までにつき、売買差益や配当に課せられる約20%の税金を節税できますので、活用してください。
要するに、自分のお金を3つのポケットに分けて、3番目の余裕資金があって初めて投資を考えるべきで、借入金が残っているような状況で投資をするなんていうのは避けるべきです。
なぜなら、借入利率を上回って確実に収益が上がるような金融商品はどこにもないからです。
また、預貯金金利は確かに低いですが、デフレの時は、物の価値が下がって、お金の価値は相対的に上がっているので、金利は少なくても元本を守っていれば、購買力は上がってきているという見方ができます。今年のように、予知預金金利が低いまま、インフレの時は、物の価値が上がって、お金の価値が相対的に下がっているので、収益性の高いものに投資するか、物に転嫁するなどの対応が有効と思われます。
今回のコラムでは金融資産運用のポイントとして3つのポケットの使い分けについてお話しました。
次回のコラムではリスク商品に向かない人や金融商品の種類についてお話をしていければと思います。
もし資産運用についてご不安がある方やご質問がある方はお気軽にヤマト税理士法人までお問い合わせいただければと思います。
皆様のお力になれることを心待ちにしています。